hachisu

はちす

蓮という名称は花托が蜂の巣のように見えるので『はちす』と呼ばれていたことに由来すると聞いたことがある。
まあ確かにハチの巣っぽいと言われればそうかもしれない。

はちす

万葉集の中では蓮が4首で詠まれていて、いずれも『はちす』と読まれている。
ちなみに4首は…

はちす

ひさかたの雨も降らぬか 蓮葉に 溜まれる水の 玉に似たる見む
 (雨でも降ってこないものか 蓮の葉に溜まった水が玉のように光るのが見たいものだ)

はちす

蓮葉は かくこそあるもの 意吉麻呂が 家にあるものは 芋の葉にあらし
 (蓮の葉とはこのようなものなんだなあ 意吉麻呂の家にあるのは芋の葉だったようで)

はちす

勝間田の 池はわれ知る 蓮無し 然言ふ君が 鬚無き如し
 (勝間田の池は私も知ってますが 蓮はありません あるとおっしゃるあなたに髭がないのと同じ)

はちす

み佩かしを 剣の池の 蓮葉に 溜まれる水の ゆくへなみ 我がする時に 逢ふべしと 逢ひたる君を
な寐ねそと 母聞こせども 我が心 清隅の池の 池の底 我れは忘れじ 直に逢ふまでに
 (剣の池の蓮の葉の上に溜まった水玉のように成り行きもわからず心が揺れている時
  逢うべきと逢ったあなたなのに 共寝はだめと母上はおっしゃるけれど
  私の心は清く澄んで 清隅の池の底のようには堪えられそうもない じかにお逢いするまでは)

はちす

どれもこれも、蓮の花のことはうたってないないところが面白い。

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