swan boat

スワン・ボート

かつてスワン・ボートだったはずの白鳥さん、今では草むらから首を出している。
もう誰も乗せることはないし、ただひっそりとそこに佇んでいるだけ。

その表情は何一つ水上に浮かんでいる時と変わらないように見えるけれど、
本当はきっと寂しいに違いない。

本来の役目を終えて本来の役目を果たすこともないままに存在する。
それはそれで違うスタイルでみんなを楽しませているんだから良いんだよ。

本来の役目なんてものはその時々で変化するものだから、こうあるべきとか思う必要はないのだ。
誰かを楽しませるという本質はちっとも変わっていないのだからね。

スワン・ボート

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