その葉っぱは遊歩道の真ん中に浮かんでいた。
落ちていくわけでもなく、舞い上がるわけでもなく、ただただそこに止まっていた。
まるで時間が止まって、あらゆるものが動くことを諦めてそこに佇んでいるかのように。
でも時間は止まっていないし、実際にボクは動けている。
それでもその葉っぱは動かずにそこに浮かんでいる。
もしかするとそこだけ時間が止まっているのかもしれない。
時間が止まってしまった空間に引き摺り込まれたら嫌だから、ボクはiPhoneで写真を撮ってその場を後にした。
恐る恐る振り返ってみると、やはり葉っぱはまだそこに浮かんでいた。
ボクの秘密を知っているかのように。
時間が止まっていることを知らせるように。
それでもボクはペダルを漕ぎだす。
ボクの時間はまだ止まってはいないのだ。
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