ベンチにドングリを並べてみた。ベンチが秋になった。
このドングリは橡(クヌギ)のものだろう。
橡といえば、こんな歌がある。
紅は うつろふものそ 橡の なれにし衣に なほ及かめやも
紅花で染めた衣は華やかで美しいけれどすぐに色褪せてしまうものだ。
橡染めは地味だけども着慣れたほうが良いのに決まっている。
これは万葉集の中にある、大伴家持が詠んだ歌。
家持の部下、尾張少咋という史生(事務官)が、都に妻がいるというのに左夫流児という名の遊行婦女に夢中になっていることを注意し諭すために詠んだもの。
年若い女も悪くはないがやがて老いるものだ、それよりもずっと一緒にいる妻の方が良いんだよ。という感じか。
それはそうだけど、たまには紅花で染めた衣も悪くない。
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