金色の帽子をかぶらなくても高く跳ばなくても『I must have you!』と言われるようでないとね

あんたをモノにしなくっちゃ!

あんたをモノにしなくっちゃ!

Then wear the gold hat, if that will move her; If you can bounce high, bounce for her too, Till she cry ‘Lover, gold-hatted , high-bouncing lover, I must have you!’
– Thomas Parke D’Invilliers

―Francis Scott Key Fitzgerald:The Great Gatsby

さあ金色の帽子をかぶれ、
もしも彼女に効き目があるならね。
高く跳べるならあの娘のために跳び上がれ。
金色帽子をかぶった高くジャンプする愛しいあなた、
あんたをモノにしなくっちゃ!と彼女が叫んでくれるまで。

とは、
もちろん『The Great Gatsby(グレート・ギャツビー)』の序文。

トーマス・パーク・ダンヴィリエはフィッツジェラルドのデビュー作、
『This Side of Paradise(楽園のこちら側)』の登場人物だ。

ボクは金色の帽子はかぶらないし無理に高く跳んだりもしない

でもまあボクは自分に不釣り合いな金色の帽子をかぶったり、
無理やり高く跳び上がったりはもうしないだろう。

そもそも、
金色の帽子や高いジャンプに価値を見出すようなタイプは好きではないのだ。

仮にそうしたとして、
あとには何いったい何が起こるというのだろう?

高く跳び上がれば足下が見えなくなってしまうし、
跳び過ぎれば落下して醜くペシャンコになってしまうに違いない。

1947年に『LIFE』の表紙を飾った、
あのエンパイア・ステート・ビルから飛び降りた、
イブリン・マクヘイルの『The Most Beautiful Suicide』のようにはいかないのだ。

そして金色の帽子は太陽の罰を受けて、
知らない間に溶けてしまうに違いない。

そして蝋が溶けて翼を失い大海原に落ちて消えたイカロスのようになるに決まっている。

でもそんな時期もある

ただそういったことに気付かずに、
似合いもしない金色の帽子をかぶって高く跳ぼうとしてしまう時期っていうのはあるものだ。

そうなることに早目に気付く場合もあれば、
敢えて知らぬふりをしながら誤魔化し続けるスタイルもある。

勘違いをしたまま、
『Berliner Goldhut(ベルリンの金の帽子)』のような背の高い帽子をかぶり続ける奴もいる。

自分の足で跳ぶのではなく、
サンダーバードのように何かの力で高く跳んだフリをし続けるインチキ野郎もいる。

いろいろだ。

ボクはある晴れた日曜日の午後、
金色の帽子を博物館にそっと飾ることにした。

そして高く跳ぼうとすることはおしまいにして、
まっすぐに前へ進むことに決めたんだ。

もちろんそういう時期があったことは悪くはなかった。
今でもボクの一部として活かされている。

ただ早目に気付けたのは幸いだった。

そうすれば、
金色の帽子をかぶり高く跳ばなくても『I must have you!』と言われるようになるものなのだ。

だからといって、
この『The Great Gatsby』始まり方は嫌いじゃないし、
もちろん相変わらず『I must have you!』って言われることも嫌いではない。

Galia Arad – I Must Have You

それで曲は、
クラシック演奏家の両親の下で声楽を学んだガリア・アラド。

インディアナ州ブルーミントン出身のS.S.W.だ。

彼女のアイドル、
元ポーグスのシェイン・マガウアンも2曲参加している2011年の2ndアルバム、
『Ooh La Baby』のオープニングを飾る『I Must Have You』だ。

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